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今日は、不当解雇(リストラ)に触れている判例を紹介します(つづき)。
3 争点 (1)争点1 被告U共済会に対する訴えの適法性 被告U共済会に当事者適格が認められるか否か。 (原告の主張の要旨) 被告U共済会は,解散はしているが,清算は未了であって,当事者適格は依然として存在しており,同被告に対する本件訴えは適法である。 (2)争点2 原告と被告ジョブアクセスとの契約関係の実体は何か。 ア 労働契約か業務委託請負契約か。 (原告の主張の要旨) 原告と被告ジョブアクセスとの契約関係は,労働契約であって,原告はこの労働契約に基づいて,被告U共済会へ派遣されていたものである。 すなわち,原告の負担する契約上の義務は,保険の査定や英文の契約書等の翻訳という労務の提供であり,被告ジョブアクセスの負担する契約上の義務は,上記労務の提供に対する対価である賃金の支払である。その上,原告には勤務時間の拘束がある上,派遣先(被告U共済会)によって勤怠管理されていたものである。 なお,ハローワーク飯田橋の担当者や東京労働局需給調整事業部の担当者も,原告には労働者性があることを肯定しており,また,原告,被告ジョブアクセスと被告U共済会との法律関係全体を業務委託請負とするのは,労働者派遣を脱法する,いわゆる「偽装請負」であるとの見解を示している。 (被告ジョブアクセスの主張の要旨) 原告と被告ジョブアクセスとの契約関係は,業務委託請負契約であって,労働契約ではなく,本件には,労働法の適用はない。 すなわち,原告と被告ジョブアクセスは,平成18年6月1日,「業務発注依頼書」(〈証拠略〉)をもって業務委託請負契約を締結したものであり,原告が処理すべき業務内容は,被告U共済会の共済保障の事務処理を一括受託しているE社においての査定業務であった。 イ 仮に,原告と被告ジョブアクセスとの法律関係が労働者派遣を伴う労働契約であるとされた場合,その内容はいかなるものか。 (原告の主張の要旨) 原告と被告ジョブアクセスとの労働契約は,「期間の定めのないもの」であって,労働者派遣(「自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させることをいい,当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないもの」)のうち,常時雇用される労働者を対象とする「常用型」であって,派遣先(被告U共済会)が閉鎖(解散)となっても,原告と被告ジョブアクセスとの契約関係は終了しない。 一般労働者派遣事業(登録型派遣事業)を行おうとする者は,厚生労働大臣の許可を受けなければならないところ(労働者派遣法5条1項),被告ジョブアクセスは,当該許可を得ておらず,常用型派遣しかできないのであって(被告ジョブアクセスは,無許可で登録型派遣業を行っていたものである。),原告の被告U共済会への派遣も常用型となる。 以上のとおり,原告と被告ジョブアクセスとの契約は,期間の定めのない労働契約であり,原告は常用型派遣として被告U共済会に派遣されていたものであり,派遣先である被告U共済会が解散(閉鎖)しても,原告と被告ジョブアクセスとの労働契約は終了しない。 (被告ジョブアクセスの主張の要旨) 原告と被告ジョブアクセスとの法律関係は,業務発注依頼書中に単に「業務発注期間に定めがない」とあるからといって,直ちに「常用型派遣」となるものではなく,上記依頼書(契約書)の文言及び客観的事実に照らして合理的な意思解釈をすべきである。 原告の従来の職歴に照らして明らかなように,原告は保険会社代理店に勤務し,保険査定業務の能力を有していたところ,原告が実際に勤務していた場所は,E社であり,かつ,原告の業務内容は,E社が被告U共済会から一括受託している「共済保障の査定業務」に特化されていたこと,さらに原告は,E社の業務終了後は,被告ジョブアクセス内で1か月執務したが,査定業務以外の一般的な職務に就く意思がなかったなど,客観的な事実から見ても,被告会社が原告を「常時雇用」して,E社以外に派遣することは全く想定されておらず,原告と被告ジョブアクセス間の労働契約は,「一般労働者派遣事業」(いわゆる登録型。派遣を希望する労働者を登録しておき,派遣の都度派遣労働者と派遣期間だけの労働契約を締結する形態を想定するもの)に係る派遣労働契約に近似するものであった。 したがって,被告U共済会が解散(閉鎖)し,原告が,従事することが合意されていた被告U共済会の保険査定業務も存在しなくなった以上,原告と被告ジョブアクセスとの労働契約は終了する。 なお、不当解雇(リストラ)について相談がある方は、不当解雇(リストラ)を弁護士に相談してください。また、企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料金やサービス内容が異なりますので、比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、敷金・保証金の返却・原状回復義務や借金の返済、家族の逮捕など刑事弁護を要する刑事事件、子供の逮捕などの少年事件、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。 PR |
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